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/グレート・ブックス・セミナー紹介ページ

和敬塾の14ある教養講座のひとつ「グレート・ブックス・セミナー」。
ブックスというからには本の話? 本の解説をするの?
それにしたって「グレート・ブックス」って何?
そんなふうに考えている(かもしれない)入塾希望の皆さんに、教養講座「グレート・ブックス・セミナー」の実際をお教えします。

What?


/グレート・ブックス・セミナーとは

「グレート・ブックス・セミナー」とは、哲学者で教育者のモーティマー・アドラー(1901-2001)が主導した「グレート・ブックス運動」の流れをくむ、1930年代アメリカ発祥の生涯学習プログラム。簡単にいうと、「グレート・ブックス」と呼ばれる、テーマごとに分類・整理された西洋の古典を読み、ディスカッションするという方法です。

和敬塾のグレート・ブックス・セミナーでも、基本的にはその方法を踏襲。要するに、「西洋古典がメインの読書会」ですね。

たとえば、2015年度の講座のテーマは「美/beauty」(このテーマは「グレート・アイディアス great ideas」と呼ばれ、現在102の項目があります)。これまでとりあげてきた作品は、プラトン『パイドロス』、トマス・アクィナス『神学大全』、ダーウィン『人類の起源』、トルストイ『戦争と平和』など。関心のあるテーマを選んで、テーマに関連づけられたさまざまな作品から、さまざまな表現で描かれたテーマを掘り下げていくことができるのが、グレート・ブックス・セミナーの魅力です。

〈102のグレート・アイディアスの例〉

天使/Angel
動物/Animal
貴族制/Aristocracy
芸術/Art
天文学/Astronomy
美/Beauty
存在/Being
原因(因果性)/Cause
偶然/Chance
変化/Change
市民/Citizen …

※財団法人かながわ学術研究交流財団『グレート・ブックスとの対話』p58
「102のグレート・アイディアスのリスト」より一部引用(項目の和訳は和敬塾事務所)

本好きな人や哲学好きな人ばかり集まりそうな感じですが、別にそうでない方ももちろん大歓迎。事前に配布するテキストをよく読んで予習してくれば、それ以上の予備知識は必要ありません。ぜひ気軽に参加してください。

現在は、現役の塾生が2人と、塾職員1人が参加中。ときどきOBも顔を出します。その他、ゲストがいることもあります。

Who?


/グレート・ブックス・セミナーの先生とは

グレート・ブックス・セミナーの講師は、犬塚 潤一郎いぬづか じゅんいちろう先生。実践女子大学生活科学部の教授をつとめるかたわら、先生の「よりよき市民社会をつくる」活動の一環として、和敬塾でも塾生をご指導いただいています。

犬塚潤一郎

グレート・ブックス・セミナー講師の犬塚潤一郎先生

How?


/グレート・ブックス・セミナーの流れ

導入◆テキストの読みあわせ

グレート・ブックス・セミナーは、事前に配布されたテキストを、参加者みんなで読みあわせ(音読)することから始まります。

事前にテキストを配布

事前にテキストを配布

前半◆テキストの解釈

次に、「モデレーター」と呼ばれる進行役が、テキストの内容についての質問を参加者に投げかけます。このモデレーターは、参加する塾生から選ばれます。モデレーターとなった塾生は、事前にテキストを読みこんで準備しなければいけません。一、二年程度は参加経験のある塾生がまかされる役です。

モデレーターの質問をきっかけにして、参加者のあいだでテキストに関する対話が生まれます。多くの場合、参加者はテキストの内容を自分自身の関心に引き寄せて発言しますが、これによって古典の内容が現代の問題と関連づけられていきます

グレート・ブックス・セミナー

「このテキストの意味はこういうことではないでしょうか」「いや、私はこう思います」等、お互いにやりとりを続けるうち、やがて参加者のあいだで何らかの共通理解ができあがっていきます。「リソース・パーソン」と呼ばれる指導役、講師の犬塚先生が、出てきた意見に対してコメントしたり、軌道修正したりします。

後半◆テキストを現代の問題と関連づける

後半に入ると、犬塚先生から、テキストと現代の問題との関連性について問いかけられます。その質問をきっかけにして、参加者はまた対話を進めていきます。

素読テキスト

雑談もまじえながら議論を重ね、最終的にきれいな結論が出ることもありますが、当然、話がまとまらないことも多いです。重要なのは、ちゃんとした結論を出すことでも、議論で別の参加者を言い負かすことでもなく、対話をきっかけにそれぞれが考えるということです。

和敬塾のグレート・ブックス・セミナーの大きな目的は二つあります。

① 古典テキストを現代の問題として読みなおす。
② 古典テキストに親しむ。

こういう意味では、教養講座「中国古典輪読会」とグレート・ブックス・セミナーは兄弟みたいなものですね。ぜひ、古典に親しんで、人生の支えにしてください。

Word!


/犬塚先生の教え

これまでの犬塚先生のお話を、簡単にご紹介します。

【技術について】

“本質的に考えると、技術とは人の内面を外界に投影したもの(projection/pro前に+jection投げる)であった。つまり人間が内面で考えたこと(project=計画)を、外界に現実化したものであった。
しかし、現在では技術はintrojection(取り込み/intro内に)となった。これは技術が人間の内面に入り込んで切り離せない状態のことであり、たとえば若い人が手放せないスマートフォン等はそういえるかもしれない(なかには依存気味の人もいる)。
さらに最近話題になっているIoT(Internet of Things)、つまり身のまわりのほとんどのものがインターネットで結ばれる世界では、技術が「環境」になる社会となる。
技術が人間の内面の一部となり、また環境となって、そのなかで生きることについて、まだその意味を真剣に考えている人は少ない。”

【文化の違いについて】

“伊勢神宮は日本で一番古い建物といわれることがあるが、20年ごとに式年遷宮で建て替えている。つまり様式は残っているが、古い建物は残っていない。一方、ギリシャのパルテノン神殿はまだ残っている
しかし伊勢神宮はいまだに神道のなかで生きている建物であるが、古代ギリシャやローマの遺跡は生きていない(宗教施設としては使われていない)。
文化によって、「何を残すか」というところが違ってくる。”

【庭園とはなにか】

「風景」について考えると、古代ローマでは自然に親しみ、楽しむことは行われたが、概念としては存在しなかった。4世紀の中国で、初めて「山水」という言葉によって「風景」の概念が生まれた。つまり「風景 paysage(仏)」という概念は、ある特定の時代、文化、地域にしか生まれなかった。
そのような形でとらえられた自然(風景としてとらえられた自然)を人工的に再現したのが、その文化における庭園である。
たとえば、ベルサイユ宮殿のようなフランス式庭園は、平面幾何学式庭園とも呼ばれ、軸線を設定し、左右対称で、幾何学的に池や植栽が配置・構成されている。
フランス文化において自然とは「コスモス(cosmos 秩序、宇宙)」であり、そこから世界・宇宙の秩序について、宇宙=夜空の星の動きから考えると、幾何学的法則性が現れてくる。幾何学、つまり直線と円の運動として世界(自然)を認識するという文化であり、それを庭園として再現すると、幾何学的な構成のフランス式庭園となる。
一方イギリス式庭園では、自然の景観の美しさをそのまま楽しむ文化的な傾向があり、それを反映して、曲線が多用され、なだらかな起伏のある自然風景のように構成される。”
(オギュスタン・ベルク『風土論』を犬塚先生が解説して)

When?
Where?


/開催スケジュール・開催場所

グレート・ブックス・セミナーは、隔週火曜日の19:00から、学生ホール2階の第1教室で開催されています。
通常の講座のほかに、年に一回、ゲストを招いて講演会やイベントを開催。過去には、漱石研究者の熊倉千之先生をお招きしての夏目漱石連続講座や、フランス国立社会科学高等研究院教授のオギュスタン・ベルク先生をお招きしての「言葉の露点」シンポジウム、アニメ「エヴァンゲリオン」をテーマにしたシンポジウム(これ、参加者にアニメ好きの塾生がいたからなんです)などが開催されました。

アニメシンポジウム

アニメシンポジウム

ぜひ、和敬塾に入ったらグレート・ブックス・セミナーをはじめとする教養講座に参加して、自分を磨いてくださいね!

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